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 初めての彼との出会いは山奥でした
 私は気を失っていて、大怪我だったそうです。

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「え……?」

 僕は机の上に置いてある手紙を読み終わると
 そんな素頓狂な声をあげる。

 この置手紙が本当なら、父親は旅行に行くそうだ。
 いや、旅行好きの父親の事だ、それはすぐに納得できた。
 僕が声をあげた理由は親が多額の借金をしていると言うことだ。
 理由は「需要が少なくて売れない」そうだ。
 そりゃ冒険者が居ない辺境で傷薬を売るなんてなー。
 しかし、家は商品の維持費をすでに滞納しており、
 そんな状況なのに父親は借金をして旅行に出掛けて行ってしまった。

「どうしよう……」

 僕は一人で考えても仕方がないと考え
 隣に住むお兄さんの家に行くことにした。
 お兄さんといっても、本当の兄ではなく
 昔からよく構ってくれていた人のことである。
 言うなれば「お兄さん的存在」だ。


 隣の家のお兄さんは竜人で、緑色の鱗が特徴的だ。
 頼りがいがあって、優しいお兄さん。名前はウォート=スケイルと言う。
 父さんに昔から預けられてたから、家族みたいなものかな?
 家は隣、徒歩一分。よくお裾分けを持ってきてくれる。


 家の前に着くとノックをする。
 お兄さんは「ノックせずにそのまま入ってきてもいいぞー」と言っているが
 やはり兄のような人とは言え、他人だ。無断で入るのは少し気が引ける。
「すいませーん、ウォート様はいらっしゃいますかー?」
 僕がそう言うと、中でどたばたと音がすると、扉が開く。
 ……お兄さん家の中ではいつも親父スタイルだなー。
「お、よく来たな」
「ちょっと、相談があるんだけど……」
「まぁ立ち話もなんだ、家に入って茶でもしばいてけ。
 つっても茶は今切らしてるがな!」
 そう言ってお兄さんは豪快に笑う。
「いつもの事でしょ? ……おじゃましまーす」

 家の中におじゃまさせて貰うと、前来た時と何ら代わりのない
 とてもに散らかった部屋に通された。
 足の踏み場もないのに、歩きなれてるんだろう。すいすい歩く。
 ……二ヶ月前に片付けたばっかりなのに……。

「それで、話しって何だ?」
「これ読んでみて」
 僕はバックパックから置手紙を取り出して渡した。
「なになに?
『道具屋の切り盛りに疲れました。
 旅に出ます探さないでください。 


 というのは冗談で、実は多額の借金を抱えてしまいました。
 社会の厳しさを知って貰うために
 セルには借金を返済して貰います。
 まぁ、頑張れば一年以内には終わると思います。
 いざとなれば、ウォート君が居る。大丈夫だろう。
 餓死しないように気をつけてな。 イケメンのモテモテお父さんより』

 ……なんだこれ? 新しい洒落か何かか?」
 僕もそう思っていたい。だけどこれは現実だった。
「旅行はよくあることだったけど、借金の返済までしろって言われて
 困ってる所なんだけど、何かいい方法ないかな?」
「いや、お前の家は道具屋だろ? 商品売っときゃいいんじゃねぇか?」
 お兄さんは正論を言うが、しかしそれには出来ない問題が……
「えっと、道具屋を開くにはライセンスが必要なんだけど
 僕は持っていないから道具屋を開くことはできないんだ」
 お兄さんは一言「そうか……」と呟きまた考え始めた。
 僕の答えに、お兄さんは少し考えているようだ。
 数十秒後、何か思いついたようだ。
「最近村に出来た仕事斡旋所に行けばいいんじゃないか?」
「あ、そっか。斡旋所があったね」
 昔は王都周辺にあったが
 最近はこんな田舎村まで建築されているという建物。

 斡旋所では、依頼を受けて、それをこなし、報酬を貰う、と言った事をしている。
 例えば「魔物が出たので退治してください」だとか
「薬草を取ってきてください」などと言った物が依頼に多い。
 中にはただの新聞配達などもあるが……
 異世界、通称裏世界にもハローワークと言う名称で存在したらしい。

「でもさ、あれって報酬高いの?」
「難しけりゃ難しいほど報酬が高いそうだぞ。 まぁ人によって変わるかも知れないが
 頑張ればすぐに金は溜まるんじゃねぇか?
 とりあえず簡単なのを愛けて見りゃいいじゃねえか」
「そっかー。 ……でもさ、登録に未成年は保護者と同行って書いてなかったっけ?」
「……俺じゃ駄目か? 暇なときは手伝ってやるしさ」
「んー、じゃあ行ってみよっか」

 仕事斡旋所。そこには人が溢れていた。
 報酬もあるが、魔術を学んだりも出来、幼い子供にとって見れば魔術は手品の様である。
 その為、好奇心の塊である子供は魔術を学び始めたりする。
 しかし魔術は簡単には習得できない為(最低でも二年は掛かるだろう)飽きっぽい子供には向かない。
 他にも、魔法との相性など様々な理由により、無理な場合がある。

「へぇ、以外に人が来るんだな」
「魔術とか勉強できるしね、報酬もすごいのがあるみたいだね」
「魔術なんて面倒くさいのよくやってられるな」
「そんなに面倒くさいかな?」
「基礎の勉強だの五行思想の歴史だの媒体だの面倒じゃねぇか」
「歴史は覚えなくても良いし、媒体は簡単だよ」
 その様な話しをしながら二階のギルドカード関連の受付に着いた。
「いらっしゃいませ」
「えっと、ギルドカード発行手続きを行いたいのですが……」
「セル=ローライト様。十六歳。職業は見習い薬師、魔導師。
 後ろに居られる方がご家族でしょうか?」
「いえ、家族じゃないですけど保護者です」
「はい、かしこまりました、それでは少々お待ちください
 保護者様もカードを発行いたしましょうか?」
「ん、ついでに頼む」
「はい、かしこまりました。五分ほどで……、出来ました。こちらになります」
「……早いですね」
「……誰も作らないんで待ち時間が無いんです……っと
 それは置いといて、説明はどうしましょうか?」



(現在執筆中...)

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